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気仙沼プロジェクト報告(平成28年度)

<お達者出前講座:大島 地区>

タイトル:こころも体も動けば笑顔いっぱい!
日  時:20016年(平成28年) 9月17日(土)、13時30分 ~16時00分
対象者 :気仙沼市大島地区老人クラブ所属高齢者 他
会  場:大島公民館(気仙沼市大島廻館 110)
参加人数:21名
司会進行:大川一郎(筑波大学大学院 教授)

第1部(タイトル):レクしましょう、からだもこころもリフレッシュ
講師名(所属):山崎律子(余暇問題研究所 代表取締役 主席研究員)
 
第2部(タイトル):ミニ講座「心も動けば、笑顔いっぱい」
講師名(所属):中村淳子(松蔭大学 教授)

第3部:(タイトル):座談会「いろいろはなしませんか・・・」
ファシリテーター名:神田尚(筑波大学 人間系研究員)

<活動概要>
 第1部では、山崎氏の通る声で参加者が惹きつけられるように体を懸命に動かいていました。ジャンケンを取り入れた活動では、左右の手が異なるものを出すことの難しさ、そしてパーやグーよりもチョキを出すのは意識しないとできないことがわかりました。昔懐かしい音楽に合わせてのパフーォマンスは、互いに顔をみあって照れ笑いの輪が広がりました。

 第2部では、クレヨンと画用紙を使っての心の表現を演習形式で行いました。まずは子どもの頃に返って“なぐり書き”をして、何が見えるかというスクイッグル遊びを行いました。次に5グループに分かれて風景構成法を集団形式にアレンジした活動を行ったところ、あちこちで笑い声とおしゃべりが弾んでいました。「絵を描くなんて嫌だ〜」と言っておられた方も2人組や5人組で行う活動は負担がなかったらしく楽しまれていました

 第3部は、大島の特産品や、自慢の食べ物を参加者に次々と挙げてもらいました。魚の名前や野菜の名前を挙げてもらったり、お酒の銘柄を尋ねたりしたのですが「お酒は飲まないから・・・」と、甘党の方にあたって空振る場面もあって、それがまた笑いを誘っていました。まさに笑って幸せを満喫した時間でした。

<まとめ・感想>
 第2部の途中で思いもかけないことがありました。ケネディ駐日大使が会場の大島公民館に来ておられたのです(実はスタッフは気仙沼港からのフェリーでSPに守られた彼女を目撃していたのですが・・・)。活動途中ではありましたが、そこは参加者の好奇心の旺盛さが勝って、そぞろに駐日大使を見物に・・・。大使も歓迎されていることに気づき、気さくに声をかけてこられました。そこで、老人クラブ会長が一緒に写真を撮らせてほしいと頼んだのでした。参加者ばかりでなく、スタッフも便乗して記念撮影となりました。撮ってくださったのはSPの方でした。

 思いがけないエピソードもあって、皆が大満足の講座だったと思います。時間配分としては座談会の時間がやや短くなったのが悔やまれますが、十分にからだを動かすことができ、童心に返って語らいながら共同作業をし、最後に大島の自慢をするプログラムは成功だったのではないかとスタッフ一同、自画自賛しています。
(報告者:中村淳子)


 <あれから5年半 気仙沼&大島の今>気仙沼
   ~復興住宅建設中・ケネディ駐日大使が大島に植樹~



<お達者出前講座:鹿折地区>


日 時: 2016年(平成28年)7月16日(土)13時30分~16時00分
対象者: 鹿折地区老人クラブ所属高齢者 他
会 場: 鹿折地区 東中才一区振興会館
参加人数:38名
司会進行:岡本多喜子

第1部(タイトル):レクしましょう(からだもこころもリフレッシュ)
講師名(所属);上野 幸(余暇問題研究所)
 
第2部(タイトル):ミニ講座 「元気に夏を迎えるために・・・」
ファシリテーター名:箕浦とき子(岐阜大学名誉教授)

<活動概要>
 椅子は出されていたが、机が配置されていない状況であったので、椅子に座ってできる体操を行った。80才以上の参加のなかには、体操についていけない方も見られたが、それでも皆、楽しそうに体を動かしていた。体操が終了すると、身体が楽になったという意見が聞かれた。

 その後、机を出し、6つの班に分かれて、班ごとに順番に魚の名前と野菜の名前を答えてもらうゲームを実施した。このゲームはかなり白熱した。魚の名前は60種類以上、野菜の名前は90近くだされた。

 休憩を挟んでミニ講座を行ったが、皆さん熱心に聞いていた。講座の途中で質問がでることもあった。

<まとめ・感想>
 鹿折地区は「お達者出前講座」の発祥地でもあり、今回も38名という高齢者が集まって下さった。中には毎回参加している方もいた。会が終了した後に取ったアンケートでは、「別の内容で」という希望も書かれていた。

 今後、「お達者出前講座」のプログラム開発も必要になるのではないだろうか。希望として出されていなのは「認知症とその介護について」のみであった。「認知症」は高齢者にとって大きな関心事であり、高齢者にもわかりやすく、精神的に落ち込むことのない、わかりやすい認知症の解説と介護の方法についての話題提供も良いかもしれない。
 

気仙沼プロジェクト報告(平成27年度)

平成27年度第1回お達者出前講座

真剣に取り組む音読計算。でも終わると笑い声がテーマ:こころも体も動けば笑顔いっぱい!
日時:2015年(平成27年)5月16日(土)、13時30分~16時00分
対象者:気仙沼市 鹿折地区老人クラブ高齢者
参加人数:34名
会場:東中才一区振興会館(気仙沼市東中才145-2)
司会進行:岡本多喜子(明治学院大学 社会福祉学科教授)

第1部:13:30~14:00
介護予防体操(脳レク体操)『レクしましょう(体も心もリフレッシュ)』
講師:上野幸(余暇問題研究所 主任研究員) 
第2部:14:00~15:00
ミニ講座『こころも動けば笑顔がいっぱい!』
講師:中村淳子(田中教育研究所常務理事、前桜花学園大学教授、臨床発達心理士、日本老年行動科学会事務局長)
第3部:15:10~15:30
エクササイズ『音読計算で認知予防』
ファシリテーター:高橋伸子、坂口佳江、小田博子
第4部:15:30〜16:00
座談会『いろいろ話しませんか・・・』 

鹿折地区は34名の参加者があり、とても賑やかでした<活動概要>
第1部
 身体を大きく使ったジャンケンゲームや、変則的な指折りと同時に数を唱える(右手はパーから折っていき、左手はグーから開いて数えていく・・・)など、通常とは異なる抑制的な動作を次々に行うレクレーションを上野氏の指導で行いました。

 参加者の間では、頭では分かっていても行動が伴わず失敗するお互いをみて、あちこちで大笑い、苦笑いが広がりました。鹿折地区は最も多くお達者出前講座が開かれており、“脳レク”には慣れている人も多かったのですが、上野氏の巧みな誘導で体がほぐれ、暖かくなっていくのを皆さんが実感されたようでした。

第2部
 躰がほぐれたところで以下の3種類の遊びを通して、今度は心をほぐす作業を中村が中心となって行いました。
  1. クイズ形式を多用しながら「心はどこにあるの?」「心はみえるの?」「心はどんな形?色?」などを参加者だけでなくファシリテーターも加わって楽しく考えてみました。
  2. クレヨンを用いてScribble(なぐり描き)法を行い、二人一組で様々な図形を発見する遊びを行いました。
  3. 5〜7人のグループに分かれて、風景構成法を集団にアレンジした(解釈を行わない)投影法を実施しました。
*2. では、次々と220様々なものを見出しては、互いに感心したり笑いあったりのペアもいれば、なかなか見つけられない(何も見えない)ペアもあり、個人差(柔軟性、想像性)がみられました。しかし、他のペアの作品に感心したり、それをヒントに手を加えたりと、皆さんが楽しんでおられました。

*3. では、大勢が関わることで思いもよらない作品となり、あちこちで笑い声が起こり、それぞれの人柄も浮かび上がってとても賑やかなワークとなりました(次々と描かれる川や山・・・についてメンバーが様々な感想を述べ合いながら行いました)。この共同作業は心を開放する効果があると思われます。

 例えば、「この畑、小さすぎやしないか・・・」「流されたんだから仕方ないさ」「これ秋刀魚?川にはいないよー」とか、黒で描かれた鳥を「カラスが飛んでいるのですね」とファシリテーターが尋ねると「カモメだよ。太陽に照らされるとカモメは黒に見える・・・知らないの〜」。縁取りを黒で書いたところ、「これじゃ黒枠じゃないの!」との言葉に、即座に黄色で模様を描いて立派な額縁に仕上げてしまった。などなど、どんどん絵に手が加えられ、話も弾んでいくのでした。 
鹿折地区の作品

 最後に6グループの作品をホワイトボードに掲載して観賞しました。なぜか懐かしい風景や美しい風景、楽しい風景が展開されて、同じ手順で同じことをしたはずなのに6グループ各々に特徴があり、まったく異なる風景になったのが面白いことでした。



第3部
 当初はゲストの予定であった立命館大学、人間科学研究所のメンバーは、かねてから認知予防研究の一環として「音読・計算」を地域(京都)の高齢者を対象に行っています。せっかくの機会であるため、今回エクササイズとして音読・計算を実施してもらいました。

 高橋氏をリーダーとして坂口氏、小田氏がファシリテーターとなって参加者を導きながら簡単な計算をしてもらい、採点をペアになって行いました。計算では全員が100点をとり、音読では京都らしい文章を全員で唱和して自身の声に聴きほれる体験をしました。

第4部
 岡本氏の進行で気仙沼での美味しいものについて参加者同士で語り合っていただきました。「今年は海(ほ )鞘(や)に貝毒が出て不漁かもしれない」「今は鰹が旬で美味しい」などなど、気仙沼の美味しいもの自慢に花が咲きました。


平成27年度第2回お達者出前講座


テーマ:こころも体も動けば笑顔いっぱい!
日時:2015年(平成27年)5月17日(日)、9時30分~11時45分
対象者 :気仙沼市 気仙沼地区老人クラブ高齢者
参加人数:2名
会場:気仙沼中央公民館条南分館(気仙沼市田中前4-8)
司会進行:岡本多喜子(明治学院大学 社会福祉学科教授)
ゲスト:大川一郎(筑波大学大学院教授、日本老年行動科学会会長)  神田尚(筑波大学社会人大学院等支援室) 

第1部:9:40~10:00
介護予防体操(脳レク体操)『レクしましょう(体も心もリフレッシュ)』
講師:上野幸(余暇問題研究所 主任研究員) 
第2部:10:00~11:00
ミニ講座『こころも動けば笑顔がいっぱい!』
講 師:中村淳子(田中教育研究所常務理事、前桜花学園大学教授、臨床発達心理士、日本老年行動科学会事務局長)
第3部:11:10~11:35
エクササイズ『音読計算で認知予防』ファシリテーター:高橋伸子、坂口佳江、小田博子

気仙沼地区は2名の参加。でもスタッフと一緒に大いに楽しみました<活動概要>
 参加者数が少ないため第4部の座談会は割愛しましたが、その他は前日の鹿折地区と同様の内容で行いました。

 この日は大川会長、神田氏もゲストで来られましたので支援者側が8名となり、2名の参加者と共に活動を楽しみました。共同での風景構成法では、男性の参加者が飛行機を描きました。
気仙沼地区の作品です
 そして自身が学徒召集で東京に行かされたこと。東京の空襲が恐ろしく怖かったこと。あわや広島に派遣されるところだったが、終戦となり命拾いをしたこと。などを語られ、「決して戦争はしてはならない」と真剣に話しておられました。女性の参加者は小物を製作するのを趣味とされておられ、作品をスタッフにプレゼントしてくださいました。


<活動を終えて>
 気仙沼地区(気仙沼市は鹿折,気仙沼,大島,新月,唐桑,本吉の6つの地区に分かれています)の支援は今回初めて企画されたせいもあり、結果的に2名の参加者にとどまりました。講座を終えたスタッフはつつじの名所を訪ねました。今しかない!と誘われて・当日(5月17日)は、小学校の運動会が順延された日であり、老人会のメンバーの多くはお孫さんの応援に行かれたものと思われます。帰京してから分かったことですが、気仙沼地区の老人会長から、今回の講座を中止する旨の連絡が学会事務局の留守番電話に入っていました(参加されたお二人には、その連絡が届かなかったものと推察されます)。このように行き違いがあったことは残念ですが、参加のお二人がとても満足して帰られたのはうれしいことでした。 
講座を終えたスタッフはつつじの名所を訪ねました。今しかない!と誘われて・ 鹿折地区、気仙沼地区ともに、共同で風景画を製作したことをきっかけに参加者同士の会話がはずみ、心の交流がなされたものと思われます。また、クレヨンの柔らかな感触が心を解き放ち、イメージを表現することの快感を生じさせたと推察されます。そばで援助していたスタッフにもそのことが伝わり、全体によい時間が流れていきました。脳レクからはじまり、音読計算のエクササイズで閉められた今回の講座では、たくさんの笑顔が引き出されました。本年度(平成27年)のテーマ「こころも体も動けば笑顔いっぱい!」にマッチした“お達者出前講座”だったのではないでしょうか・・・。 

険しい作業道を運転してやっとたどり着いた展望台!それは見事な眺めでした
 険しい作業道を運転してやっとたどり着いた展望台!それは見事な眺めでした。


(中村淳子)